灼熱の砂漠のイメージがあるアフリカ大陸の、最南端の国「南アフリカ共和国」のワインです。
金やダイヤモンドがたくさん採れて、喜望峰やケープペンギンが有名ですね。
面積はとても広く、サファリも有名ですが、
南極側の海に面した街「ケープタウン」の周辺は、気候がフランスに似ていて、
ワインづくりに適した条件が揃っているので、大航海時代をきっかけに、
キリスト教と一緒にワイン造りが広がって、長いワインの歴史が築かれてきました。
かのナポレオンは島流しになった後も、フランスのブルゴーニュ産の高級ワインの他に、
わざわざ南アフリカ産の甘口白ワインを取寄せて飲んでいたそうです。
国内で一番有名な産地は、西ケープ州の「ステレンボッシュ地区/Stellenbosch」。
斜面だらけの地形で水はけがよく、日差しはたっぷりとあるけれど朝晩はしっかりと寒いので、
収穫期のブドウの果実は、ギュギュギュッと味が濃く仕上がるのです。
ボルドーの2級に格付けされているシャトーのオーナーが2003年から手掛けたこのワイナリーは、
恵まれた自然環境はさることながら、その財力を使って、畑の管理や栽培の方法にも拘り抜いていて、
醸造所の設備は最新鋭!ブドウ果汁にストレスをかけないように重力を用いた仕掛けになっています。
敷地内には、オーナーがコレクションしてきたグラスなどのガラス工芸作品の美術館や、
オープンエアのレストランも併設されていて、まるでリゾート地のようです。
南アフリカでは「ブラーイ」と呼ばれるBBQが盛んで、本当によくステーキを食べるのですが、
合わせるワインはもちろんフルボディ!カベルネ・ソーヴィニョンが大人気です!
このワインはフランススタイルで造られているので、
まず最初に感じる酸味は、強すぎず、どこまでもエレガント。
ベリー系の凝縮した果実味はたっぷりと飲みごたえがあって肉汁の旨味と溶け合い、
スパイシーなニュアンスがソースと共にメロディを奏でながら鼻腔を抜けていきます。
ワイナリーでも観光客たちが賑やかにステーキとワインに舌鼓を打っていますが、
遠く離れたここ日本でも、ステーキを愛する心とワインと笑顔は同じですね。
ぜひ雄大な自然を感じながらおいしいステーキと一緒にお楽しみください。
グラスに注がれたワインが目の前に到着。
そっと手を伸ばし、なるべく揺らさないように持ち上げて鼻に寄せて香りを取ると
ベリー系のフルーツや、ジャムの香りがブワッ!と予想以上に鼻腔を刺激するので、
慌ててグラスをテーブルに置いて、
今度は足の部分を優しく持ち、小さくくるくると回してみる。
1秒に2回転くらいの速度で、内回りに、8~10回くらい。
そしてまた香りをかぐ。香りの種類が増えてるかもしれないから、6秒くらいかけてゆっくりと。
すると今度は、ドライフルーツがたっぷり入ったしっとり系のパウンドケーキや、
バタートースト、チョコレートアイスクリーム、ミルクココアなどなど、、、
やっぱり予想通り、香りの種類がさらに豊富に。
こっそり目を閉じて、感じた香りのビジュアルを想像してみると、
もうこれはワインなのか、果物なのか、デザートなのか、一瞬分からなくなったりして、
人間の脳の不思議さと、楽しげで華やかなワインの風味に、思わず笑みがこぼれます。
さぁ、あとはお肉を口にほおばって、もぐもぐ、もぐもぐ。
ジューシーな肉汁と、旨味たっぷりのソース、鼻腔を抜けるスパイスの感じ。
そしてすかさずワインをゴクリ!
たっぷりとした果実味とまろやかな渋み、ペッパーの刺激とオニオンの甘みが上手に溶け合って、
お肉のおいしさ倍増中!!!
あぁ、まさにこれがお肉とワインの結婚!マリアージュなんですね!
このワインの名前の "アレグロ" って、音楽用語で「快活な」とか「楽し気な」っていう意味ですね。
お肉♪ → ワイン♪ → 笑顔♪ → お肉♪♪ → 笑顔♪♪ → ワイン♪♪・・・・
今日の食卓はリズム感いっぱいで、楽しい時間が奏でられること間違いなし🎵
ぜひたくさんのビュッフェ料理とお肉とワインと心地よい会話を、ゆっくりとお楽しみください。
【職業】ワーママOL+ワインコーディネーター
【資格】JSA認定ワインエキスパート、日本酒利き酒師、焼酎アドバイザー
OLとして、レストランの開発→ワインインポーター→富裕層向けのワインコンサルタントへと転身する傍ら、ワイン講師やワインライター、レストランやカフェ、イベントなどにおけるワインプロデュース業を営んでいます。趣味は世界各地のワインに合わせてその地元食材を生かした料理を味わうこと。新しい発見を求めて、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ハンガリーなどの欧州のワイン産地国の他、アメリカ、カナダ、オセアニア、南アフリカ、中国、タイなどのワイン産地を訪れて、ワイナリーやレストランを巡っています。 ワインで繋がるご縁を大切に、独自の切り口で、分かりやすくワインの魅力を伝えていきたいと思っています。